道の駅たのはた 思惟の風
竣工年 : | 2021年 |
所在地 : | 岩手県下閉伊郡田野畑村 |
建築設計 : | 古谷誠章+NASCA |
構造設計 : | ホルツストラ一級建築士事務所, |
坂田涼太郎構造設計事務所 | |
用途 : | 道の駅 |
構造 : | 木造+RC造 |
階数 : | 地下1階地上2階建て |
延床面積 : | 1,143.59㎡ |
受賞 : | 令和3年度いわて木材利用優良施設賞 |
多雪地域の建物に特徴的な腰折れ屋根の断面が、スパンや高さを変えて連続する不定形な架構である。張間方向に9~16mスパンとなる架構は、2つの木トラスによる3ヒンジトラスアーチとし、角度を変えて並べた。張間方向の水平力に対してはこの3ヒンジ架構により、桁行方向は合板耐力壁と角鋼40×40をハの字に配置した偏心ブレース架構により抵抗する。トップサイドライトの鉛直構面にはたすき掛け丸鋼ブレースを4スパン毎に配置し、水平構面の一体性を確保した。主架構のスラストや水平荷重時のせん断力は、柱下部に設けた高さ約1mのRC柱を介して基礎構造に伝達される。 屋内空間に現す木材は全て製材とし、特に人の目に触れやすい柱やトラス下弦材は、地元岩手産のアカマツ製材とした。積雪による曲げの影響が大きいトラス上弦材は合わせ梁として大断面を確保し、軸力が主体となる斜材・下弦材は、座屈に対して有効となるように、平角材を見込方向の寸法が大きくなるように配置した。この操作により、部材の見付は小さくなり、奥行方向にみえる架構が軽快な印象となった。各材は継手・仕口により連続しないため、下弦材の角度が変わる点において、直交方向に丸鋼φ12を座屈拘束材として配置している。





撮影 :淺川 敏
